琉穂建設工業株式会社 由浅 太さん

2012-12-08

今回は琉穂建設工業株式会社の由浅社長にお話をお伺いします。

御社の概要をご紹介下さい
公共事業、もしくは共同企業体で元請けをしています。元請けと言いましても、公共事業の中でも上下水に関わる工事を専門にやっています。
簡単に言えば、浄水場、下水処理場の機械設備、プラント機械メーカーと共同企業体が組んで、お仕事をしています。併せてその機械を制御する電気設備についても電気メーカーと共同企業体で請負っております。

主に公共工事が多いんでしょうか?
お役所の発注する工事が主です。後は建物の公共事業、県や市町村や自治体が発注する、俗に言う箱物の空調整備の施工、工事をしています。水道蛇口、トイレの便器など、そういった水回りの衛生工事も含めた、工事会社です。

景気とか不景気とか影響とかはありましたか?
小泉政権の時代から公共工事が不要だとか、ばらまきみたいに言われてたことが段々と影響として出てきて、15年くらい前から件数も金額もどんどん右肩下がりです。業者の数も本来なら淘汰されるのでしょうが、結局みんなでしのぎを削って受注合戦を繰り広げているもんだから、少ないパイをみんなで食い争ってる状況です。現状、低価格入札による落札のため自ずと受注額・利益率も下がってきてます。
我が社の売上高(完成工事高)、それに伴う発注件数併せて1998年を100とすると現在では50くらいまで落ち込んでいます

その中には淘汰されてく企業もあるのでは?
残念ながらそういう会社もあったり、今度は残ってる会社で少ない件数を奪い合ったり、そういった現状ですね。よその会社が他の仕事を探したり、業態を変えて別のことをやったりしてますが、うちはとりあえずジッと耐えてる状況です。

初志貫徹という感じですね。
他のことをやる勇気がないっていうか、結局は他のところを見る余裕がないから、とりあえずジッとしています。今ある分で、何とか乏し気を分かち合って、社員と共に会社を支えていこうと考えています。格好良く言っていますが。(笑)
よそ様がやってることを真似してもしょうがないし、うちには勇気がありません。
公共事業に携わってる以上は、社会資本じゃないですか。人間が現代生活を営んでる以上は、必ず老朽化もするし更新改良もしないといけません。それが必ず来るはずなのでジッとしていれば、いずれチャンスは来ます。ジッとしてる間にも経費や人件費もかかりますが、その分はお互い我慢しながらやっているつもりです。

東南アジアではインフラ整備が急ピッチで進んでいますが、アジア進出とかのお考えは?
我々は中小企業ですけど零細企業ですから。東南アジアに進出するのは年商100億円以上の大手企業や、中堅企業でしょう。求められる人材も、良い人材も揃ってると自負はありますが、先ほども言ったように新しい場所に踏み出す勇気がないんですよ。

社長になって何年ですか?
7年目です。38歳で先代から引き継ぎました。

これからも公共事業を中心にお考えですか?
我々が携わるであろう公共事業は、必ず必要なものです。社会資本なので、老朽化や陳腐化したら更新も改良も必要になってきます。健全な企業経営を続けていけるのであれば、その更新改良の一助を担うお手伝いができればと思っているだけです。

沖縄経済は今、県外から企業が入ってきたりしているがそれに対しては?
地元優先でという気持ちは無きにしも非ず、当然のことですが、良い物は良いとして認めてその人たちがまた我々を沖縄の手足として見てくれるだろうと思ってます。
自分たちの自己研鑚はしていますから、地元は地元なりのやり方があります。大手が来たとしても、沖縄については琉穂がよくやってるよね、少しお手伝いして頂けませんか、と言われるべく存在に、常にいなくちゃならないと思ってます。
どこの大手が来ても、必ず声が掛かるような自負を持って自己研鑽をしてます。

県外企業ともお互いパートナーシップで?
私たち人間が生きていくうえで必要なものを扱っていますからね。

先代から引き継いだお仕事のご苦労や良かった点は?
人脈というのは創業者には到底敵うものではありません。人脈を通じた財産とういうのは非常に嬉しく、有り難いなと感じています。
やはり創業当時のように、沖縄の社会資本、浄水場、下水場、建物についてもどんどん右肩上がりで増やしてた時代と今は違います。今度は熟成して維持管理の時代です。
創業者がやってきた手法、やり方、そのままコピーして私もやってみようって言ってもできませんよね。以前はこんな手法でしたよ、じゃあ私はこうしよう、という感じで教科書が生きてる分もあれば、単なる教科書として、あーそうだったんだ。という具合で終わることもあります。新しい発想でやらないといけない部分も沢山ありますからね。
2代目としての良かった話しで言えば、人脈。苦労という意味では、第二の創業かなと思っています

先代と比較されることもあるのでは?
それはもう、当然。足元にも及ばないのも当然。創業者に慕って入ってきてる社員もいるでしょうしね。今私が二代目としてやっていますが、こんな若社長の下でやってられるかって言って引いていく社員は今のところいません。ワカ社長がバカ社長にならないように、 常に責任を感じてやっております。

先代の信頼をそのまま引き継いでいるわけですね。
私はそのつもりですが、自分では到底言えるものではありません。それでも現実として、なんとかみんなついてきてくれています。

色々と変わりつつある沖縄の経済について希望はありますか?
人口が減ることのない沖縄、という感じ方はみなさんありますよね。UターンやIターン、出生率や観光客にしても、沖縄は人の数が減らないっていうのは間違いなく衰退はしないと思います。そういった意味で社会資本は、常に充実しなければいけないだろうと考えています。そういう面で、ビジネスチャンスも減ることはないだろうと思っています。蛇口ひねって水が出ないなんて、誰もここに住まないですよね。人口が減らなければ、仕事もあり続けるのではないでしょうか。
公共事業のお手伝いをして、社会に貢献をして、そのついでにごはんが食べられて、社員も生活が豊かになれば、という気持ちでやりなさいと教わってきましたから。

話は変わりますが、最近早起きして、ランニングとサイクリングやってるらしいですね。
40歳になってフルマラソンをやって、約2年前にロードバイクっていう自転車をやり始めました。たまたま知り合いの紹介で乗って、ロードレースも出て、だったらトライアスロンもどうかってことで、宮古島にも行きました。

スポーツはライフワークですか?
いやいやいや。そこまでやっちゃうと本業が疎かになってしまいますから。やりはしたけども、極めようとは考えていません。汗かく程度です。前の晩飲んだ酒を消費するために、とは言いながらもトライアスロンに出るかもしれません(笑)11月25日ツールド沖縄があるので、試しに出ようかなって思ってます。
去年も出ようと思ってたけど、その前に自転車で転んで怪我をして、去年の今頃は自転車乗ってなかったんです。

一度転んだら怖いのでは?
怖いです。下り逆で曲がりきれなくて転んだんですよ。ガードレールと喧嘩して負けました。山登り切ったところで、気が抜けてしまったんでしょうね。ブレーキするの遅くなって、顎8針です。
だから去年の9月から4ヶ月間は自転車乗れませんでした。でも宮古島のトライアスロンにはエントリーしていたんです。出場できるかどうかは抽選なんですが、当選の通知がきたもんだから1月からまた乗り始めて、なんとか間に合いました。
転んだとき意識はあったけど、歯が欠けたり、顎関節が壊れたり、唇が切れたり、山登ったあとで心拍上がってるから血が止まりませんでした。

それでもやり続けたのは競技魂に火が付いたということ?
やめようと思ったんですけど、やめないでよ…と自転車仲間が。そりゃあ、自転車で転んで怪我して危ないからやめた、なんて自転車やってる人たちに失礼ですしね。だから、気持ち汗かく程度に。って良いながらやってます(笑)

夜から朝のクラブ活動に転身したキッカケは?
40歳なる前かな?健康診断で、オール×だったんです。今より17、8キロ太ってたし、ドクターに「そんなに死に急いでどうする?」と言われ、じゃあ運動でもしようかって始めました。

毎日走ってるんですか?
夜のお付き合いも何もなければ。夜のお付き合いがあるなら昼休みに走ってます。家の近くの陸上競技場をグルっと走って、家でシャワー浴びて、何もなかったように会社に戻ってます。

1日何キロくらい走ってるんですか?
最低でも5キロ、何もなければ10キロ、土日暇な時は20キロ。
自転車だったら最低でも50キロ、時間が許すなら120キロとか。サイクリングレベルですよ。
健康診断で指摘されたから一年発起して運動を始めました。みるみる体重が落ちていって、やればできるんだなと楽しくなっていきました。創業者にいわせたら、そのエネルギーを本業に向けたらどうなんだ、言われるだろうけど(笑)

同世代のおじさん達にエールを送るとしたら?
人様にエールを送るような経験も実績もないんですけどねぇ。
テレビか雑誌で誰かが言ってました。夢は見るもので良いから、自分の身の丈に合った希望と目標を持つこと。
夢は大きく持って良いんです。ただそれは、見るだけで良いよと。夢は見るだけ。見てしまったらもう終わりですから。それよりも大切なのは、身の丈に合った希望と目標。言葉の使い方は人それぞれですけどね。
私たちがグローバルなんて言ってもしょうがないです。前向きに、ポジティブにって言い方もありますから周りのみなんさんが、何言ってんだよ、お前がそんなこと言うなよ、夢も持つべきだよって言うんであればそれはそれで良いですけどね。なんだかネガティブですね(笑)
エールってほどのものでもありませんが、 身の丈にあった目標を掲げて、それをきちんとこなすことが大切です。

先代の教えを守り、初志を貫き通す強い意志をもった由浅社長。
多種多様またはグローバル化と外に目をむきがちな現代ですが、
本業をトコトン突き詰め、身の丈に合った仕事を地域と共に頑張る姿がステキでした。

由浅 太

高千穂産業株式会社 代表取締役社長
琉穂建設工業株式会社 代表取締役社長

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